2025/03/17

第7回 文型の例文を作ろう

 今日のプロンプト 

「てからというもの」という日本語の文型を使って、例文を20個作ってください。


AIの回答 

(2025年3月17日にChatGPT-4oにより生成)



1.彼は就職してからというもの、すっかり大人びた態度を取るようになった。

2.子供が生まれてからというもの、生活のリズムが大きく変わった。 3.海外に引っ越してからというもの、日本の料理が恋しくてたまらない。 4.彼と別れてからというもの、毎日がつまらなく感じる。 5.スマホを買い替えてからというもの、便利すぎて手放せなくなった。 6.あの映画を見てからというもの、ずっとそのシーンが頭から離れない。 7.彼が転校してからというもの、クラスの雰囲気が変わった。 8.犬を飼ってからというもの、毎日散歩するのが習慣になった。 9.この本を読んでからというもの、考え方が大きく変わった。 10.ダイエットを始めてからというもの、甘いものを控えるようになった。 11.事故に遭ってからというもの、運転するのが怖くなった。

12.引っ越してからというもの、毎朝の通勤時間が長くなった。

13.彼が社長になってからというもの、会社の業績が急上昇している。

14.結婚してからというもの、料理をする機会が増えた。

15.留学してからというもの、英語に対する苦手意識がなくなった。

16.スポーツを始めてからというもの、体調がとても良くなった。

17.彼と友達になってからというもの、毎日が楽しくなった。

18.一人暮らしを始めてからというもの、親のありがたさを実感している。

19.新しい上司が来てからというもの、職場の雰囲気がすごく変わった。 20.運動を始めてからというもの、以前よりも体が軽く感じる。



AIができること 

 日本語教師の仕事をしていると、「文型」を教える機会が多くあると思います。文型を教える時に、学生にとってわかりやすい適切な例文がたくさんあるとよいのですが、教科書や文法の問題集の例文が2つとか3つしかなくて、例文の数がもう少しあればと思う方も多いのではないでしょうか。

 こんな時は、AIに例文を考えてもらいましょう。

 今回は「てからというもの」という文型の例文を20個AIに生成させました。「てからというもの」という文型は、日本語能力試験だと、N1レベルの文型とされることが多いです。今回、生成された例文に含まれる語彙はやさしいものが多く、N1レベルの文型を勉強している学生にとってわかりやすい例文になっていると思います。

 教科書や文型の問題集の例文が少ない場合は、このようにして、AIに作らせた例文をいくつか補って、学生に提示するとよいでしょう。

 人間である教師が、文型の特徴を端的に示した、わかりやすい例文を20個考えるのは、なかなか大変だと思います。しかし、AIに考えさせれば、その作業の負担をかなり減らすことができると思います。


人間にできること

 今回は、多めに候補を作らせて、その中からよい例文を選ぶつもりで、AIに20個例文を作らせました。実際に学生に例文を提示する場合には、この中から教師がいくつか選ばなければなりません。

 まず、日本語に問題がある例文は除き、次に、語彙が難しすぎるもの、文脈が特殊だったり、抽象的だったりして、状況が想像しにくいものを除き、最終的に、文型の意味や使い方の特徴がわかりやすいものを選びます。

 また、例文の内容、例文の書き手(誰が)、例文の読み手(誰に対して)、例文の使用される状況(何のために)にもバリエーションがあったほうがよいので、バリエーションが多様になるように例文を選んでいきます。学生の生活に近いもの、学生が興味を持ちやすいものを選ぶことができれば、なおよいでしょう。(まあ、この辺りのことは、人間である教師が例文を作っていく場合と同じですね。)

 AIはときどきおかしな日本語の文を作ることがありますが、今回作らせた例文は、特に日本語としておかしいところはないと思います。「大人びた」「手放す」「控える」といった語彙が難しいようであれば、例文1、5、10といった例文は省くことになりますし、例文13と19は、仕事の場面の文章なので、学生が状況を想像しにくいようでしたら、省いたほうがいいかもしれません。後は、今回の例文の中から、学生に合わせて、バリエーションを持たせつつ、例文を選んでいけばよいでしょう。

 最後になりますが、AIはアメリカで開発されているものが多いせいか、AIに例文を作らせると、「彼」「彼女」といった人称代名詞が多く出てきます。そのような例文ばかりを使っていると、学生のほうも「彼」「彼女」を多用するようになってしまいますので、必要に応じて「彼」「彼女」を「ジョンさん」「山田さん」といった言葉に代えたほうがいいかもしれません。


ここに注意! 

 AIは文型の例文を作るのが非常に得意だと思います。

 ただし、「ものだ」「べきだ」といった用法が複数ある文型の例文を作らせようとすると、うまくいかないことがあります。

 例えば、「ものだ」には大きく分けて、4つの用法があると言われています。具体的には、「昔はよく旅行をしたものだ」のような過去の習慣を表す用法、「山田さんも年取ったものだ」のような感慨を表す用法、「人は必ずどこかで失敗するものだ」のような一般性を表す用法、「学生にはもっと勉強をしてほしいものだ」のように強い願望を表す用法の4つの用法です。

 しかし、AIに例文を作らせると、強い願望の用法の例文は、まず作ってくれません。「ものだ」のように、用法がたくさんある文型では、AIが一部の用法の例文を作ってくれないことがあるのです。

 こんな時は、用法を指定して、AIに例文を作らせるしかありません。文型の用法を選んで、例文を作らせたいときは、以下のようにプロンプトを少し修正してください。

日本語の文型「ものだ」の強い願望を表す用法の例文を20個作ってください。


2025/03/08

第0回 このブログのトリセツ

このブログの目的

 このブログでは日本語教育に役立つAIのプロンプトを毎回紹介していきます。

 プロンプトというのは、AIに対する指示文、命令文のことで、プロンプトを生成AIの入力欄に入れると、AIが様々な文章、画像、音声などを生成してくれます。

 このブログの「今日のプロンプト」に書かれているプロンプトをコピーして、AIの入力欄に入れてください。それだけで、AIを実際に使うことができます。

 日本語教育に役立つAIのプロンプトを100個ご紹介するのが、このブログの目標です。

 どうぞみなさん最後までお付き合いください。

このブログで使うAI

 このブログでは、無料で使えるAIのサービスやアプリの使い方だけを紹介しています。AIを使ったことがない方は無料版から始めるのがよいと思いますし、無料版のAIでも十分使える機能が備わっていると思うからです。

 主にOpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、MicrosoftのCopilotなどを使い方をご紹介していますが、必要に応じて、他のAIのサービスやアプリもご紹介していきます。

このブログの構成

 このブログは毎回以下のような構成で書いています。

1.今日のプロンプト

 毎回、一つプロンプトをご紹介します。コピーして、AIの入力欄に入れれば、様々な文章、画像等を生成してくれます。

2.AIの回答

 「今日のプロンプト」によって実際に生成されものです。どのようなものが生成されるか確認できます。ただし、生成されたものの前後に、AIがよくつけ加えてくる、「あいさつ」や「生成されたものについてのAIなりの解説」などは、基本的に省略しています。

3.AIにできること

 AIに何ができるか、AIがどのように役に立つかご説明します。

4.人間にできること

 AIを使った後で、人間が何をしなければならないかをご説明します。具体的には、AIが生成したものをどのようにチェックするか、AIが生成したものをどのうように修正すればよいかなどについてご紹介していきます。

5.ここに注意!

 AIを使うの時の注意点、問題点についてご説明します。主に、AIに何かを生成させた際の失敗についてご説明していきます。また、AIの使い方についてより発展的な内容のご説明をすることもあります。

このブログのプロンプトの書き方

 AIは、私たちが普段使う自然な日本語で書いた質問や依頼の文を入力欄に入れれば、回答を生成してくれます。ちなみにChatGPTの「Chat」とは、「おしゃべり」「雑談」の意味です。会話で話すように、自然な言葉でAIとやり取りができるように作られているので、名前に「Chat」という言葉が入っています。ですので、このブログでは、プロンプトは普段使っている普通の日本語で書くことにしています。

 しかし、プロンプトの書き方には、より高度な「マークダウン記法」というものがあります。それは以下のようなプロンプトの書き方で、「♯」「-」等の記号を使って書く書き方です。

    # 取引先へのメールを書いてください。

    ## メールの概要

       - タイトル:新製品のご紹介

       - 新製品: 自動運転機能付き自転車

       - 特徴:AIによるブレーキアシスト, 渋滞予測機能

       - イベント:新製品発表会

     - 日時:3月6日金曜日10時

     - 場所:幕晴モッセ ホール105

 「マークダウン記法」で書いた方が、AIにはわかりやすく、こちらが意図したものが生成されやすくなることが知られています。しかし、初心者の方が「マークダウン記法」のルールを覚えて、書くのはかえって面倒で、AIを使うのが嫌いになってしまうかもしれません。

 AIは、自然な言葉による「Chat」でもやり取りができるよう、作られていますので、このブログでは、自然な言葉で書いたプロンプトをご紹介していきます。

お断り

 最後に一つご理解いただきたいことがあります。それは、ご紹介したプロンプトをAIの入力欄に入れても、このブログとまったく同じものはまず生成されないということです。同じプロンプトを入れても、いつも少し違ったものが生成されると思います。

 「AIは機械なので、同じプロンプトを入れたら、同じ回答が返ってくるはずなのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら、AIはそのようにできていません。

 実は、AIの生成する回答は、同じプロンプトを入れても、毎回、同じにならないことが多いのです。AIは、入力されたプロンプト自体の影響、使用しているAIの設定、AIが収められているサーバーの性能などによって、回答が変化することが知られています。

 また、現在(2025年3月)、AIの開発は急ピッチで進められており、AIのサービスやアプリも年に何回もバージョンアップされています。そのため、このブログで紹介するプロンプトを使っても、生成されるものがかなり変わってしまう場合があります。このブログでは、プロンプトを使って、AIに何かを生成させた年月日を書いていますが、その年月日から時間が経てば経つほど、生成されるものも変わっていくでしょう。

 このブログを書くにあたっては、実際にプロンプトをAIの入力欄に入れ、AIからの回答を得ています。しかし、同じプロンプトを使っても、このブログとまったく同じものは生成されません。AIの性質上これは避けられないことですので、この点、どうぞご理解いただければと思います。

 


2025/03/07

第6回 読解の文章をやさしい文章に変えよう

今日のプロンプト 

次の文章は難しすぎるので、日本語の初中級の学生にもわかるように書き直してください。  近年、太陽光発電の導入量は世界中で急速に増加しており、再生可能エネルギーの主力電源の一つとなっています。技術革新による発電効率の向上やコスト削減が進み、競争力のある電源として位置づけられています。  日本においても、太陽光発電は再生可能エネルギーの重要な柱として位置づけられています。固定価格買取制度(FIT)などの政策支援により、導入量は大きく増加しました。しかし、近年ではFIT制度の見直しや、系統連系の制約など、新たな課題も生じています。


* 上の文章は「太陽光発電の現状」というテーマでAI(Gemini 2.0 flash)に作成させた文章の一部です。文章の作成法についてはこのブログの「第5回 読解のための文章を作ろう」を見てください。


AIの回答 

(2025年3月8日にGemini 2.0 flashにより生成) 


  • 最近、世界中で太陽光発電を使う量がとても増えています。
  • 太陽光発電は、自然の力で電気を作る「再生可能エネルギー」の中で、一番大切なものの一つになっています。
  • 技術がどんどん良くなって、発電する効率も上がり、コストも安くなったので、他の電気を作る方法と比べても、太陽光発電はとても良い方法と考えられるようになりました。
  • 日本でも、太陽光発電は「再生可能エネルギー」のとても大切なものと考えられています。
  • 「固定価格買取制度(FIT)」という、太陽光発電で作った電気を国が買い取る制度など、国のサポートがあったので、太陽光発電を使う量がとても増えました。
  • でも、最近は「固定価格買取制度(FIT)」が変わったり、電気を送る線(系統連系)の問題が出てきたりして、新しい問題も起きています。
注:下線はこの後の説明のためにブログ主が書いたもの。


AIができること 

 読解の授業で使う文章を探しているときに、内容はとてもいいのだけれど、語彙や文法のレベルが高すぎて、このままでは授業で使えないなあと思ったことはありませんか。

 初中級のクラスの読解の教材を探しているとき、「文章のレベルが学生のレベルに合わないので、使えるものがなかなか見つからないのよ」とか、新聞の記事や新書の一部を題材にしたいのだけれど、「漢語が多すぎて、言葉の説明だけで授業が終わってしまいそうだなあ」など、学生のレベルにあった文章を見つけるのは、簡単なことではありません。

 もし、あなたが本当に熱心で、まじめな先生だったら、学生に読ませたいと思う文章を自分でリライトして、学生のレベルにあった文章に書き直したりもするでしょうが、ただでさえも、日本語教師というのは忙しい仕事ですから、これは負担が大きいと思います。

 ですから、このような時にこそ、AIを使いましょう。AIを使えば、元の文章を学生のレベルにあった簡単な文章に一瞬で変えることができます。

 元の文章と、AIが作った文章を比べて見ましょう。

 まず、「近年」は「最近」、「導入量」は「使う量」といったように、難しい単語はやさしい単語に変えてくれています。また、「日本においても」は「日本でも」、「政策支援により」は「国のサポートがあったので」というように、表現が初級後半の学生でもわかるような表現に変わっています。さらに、「再生可能エネルギー」や「固定価格買取制度(FIT)」といった特殊な用語には、下線部のように、元の文章には存在しなかった説明を付け加えてくれています。読み手のことを考えて、AIが元の文章にはない説明を付け加えてくれているということで、私などは「AIって親切だなあ」とつい感心してしまいました。

 このように、AIを使えば、文章を学生のレベルに合わせて、書き直すことができます。読解の授業に役に立つのはもちろんですが、今日のプロンプトで、学生が読まなければならない、公的な通知や仕事のマニュアルなどを「やさしい日本語」に変えることもできます。AIによるリライトは、様々な場面で役に立つのではないでしょうか。


人間にできること

 上の文章を見ていただくとわかる通り、なぜか文章が箇条書きのようなスタイルで書かれています。読解の教材として文章を使う場合は、一文一文を繋げて、段落にしたほうがよいでしょう。

 次に、必ず元の文章と生成され文章の内容が同じかどうか確認しましょう。AIが文章を書き換えるときに、少し内容が変わってしまう場合もあります。今回の場合は、ほとんどそのようことはないのですが、唯一「主力電源の一つ」という言葉が「一番大切なものの一つ」という言葉に変わっています。このままでもいいかもしれませんが、気になるようでしたら、元の意味に近づくように、「一番よく使われるものの一つ」ぐらいに修正してもいいかもしれません。

 また、「効率」や「買い取る」など、初中級の学生には少し難しい言葉も使われています。もう少しやさしい言葉に修正するか、難しい単語に翻訳をつけた語彙リストを作って、学生に渡してもよいでしょう。


ここに注意! 

 今回は「日本語の初中級の学生にみわかるように」という言葉をプロンプトに入れましたが、この部分を「やさしい日本語に」とか「日本語の初級の学生にもわかるように」などに変えても、文章の書き直すことができます。ただし、日本語のレベルの判定はそれほど正確ではありません。「日本語の初級の学生にもわかるように」とプロンプトに書いても、生成された文章の中に「制度」や「支援」といった言葉が残る場合もあります。文章の中に学生のレベルに合わない言葉がある場合はやはり修正する必要があるでしょう。

 ちなみに、AIは、アメリカの大手IT企業が開発していることが多く、大量の英語のテキストをデータとして学習しているため、国際的な語学力の指標であるCFERの基準についても多くの知識を持っています。ですので、「日本語の初中級の学生にもわかるように」という言葉の代わりに、「CFERのA2レベルの文章に」という言葉を入れても、AIはきちんと理解して、やさしい日本語の文章を書いてくれます。

 実は、英語の文章の場合はこのCFERのレベル区分を入れると、かなり正確にレベル別の文章の作成ができます。インターネット上に公開されたCFERに関する記述、CFERのレベル別の文章などをAIが大量に学習しているため、このようなことが可能になっています。

 日本語の文章の場合は、まだ、それほど正確にレベル別の文章を作成できるわけではないので、やはり、人間の確認、修正が必要です。

(CFERについて、あまりご存じない形は、AIに質問してみましょう。レベル分けの指標についてもすぐに教えてくれると思います。)




2025/03/06

第5回 読解のための文章を作ろう

今日のプロンプト 

日本のアニメの歴史について説明する文章を800字ぐらいで書いてください。


AIの回答 

(2025年3月6日にMicrosoft Copilotにより生成) 

 

日本のアニメは、20世紀初頭に始まりました。最初のアニメーション作品は、1917年に公開された「なまくら刀」や「塙凹内名刀之巻」などの短編映画です。これらの作品は、手描きのセルアニメーション技法を用いて制作されました。 戦後、日本のアニメは大きな発展を遂げました。1958年には、東映動画(現在の東映アニメーション)が初の長編カラーアニメ映画「白蛇伝」を制作しました。この作品は、日本のアニメーション映画の礎を築きました。 1960年代には、テレビアニメが登場し、アニメの普及が加速しました。手塚治虫の「鉄腕アトム」は、1963年に放送開始され、日本初の本格的なテレビアニメシリーズとして大ヒットしました。この成功により、多くのアニメ制作会社が設立され、テレビアニメの制作が盛んになりました。 1970年代から1980年代にかけて、アニメのジャンルは多様化し、ロボットアニメやスポーツアニメ、魔法少女アニメなどが登場しました。特に、富野由悠季の「機動戦士ガンダム」や、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」などの作品は、アニメファンの間で高い評価を受けました。また、この時期には、アニメ映画も多く制作され、スタジオジブリの作品が国内外で高い評価を得ました。 1990年代には、アニメは国際的にも注目を集めるようになりました。押井守の「攻殻機動隊」や庵野秀明の「新世紀エヴァンゲリオン」などの作品は、海外でも高い評価を受け、日本のアニメ文化を世界に広めました。また、この時期には、アニメを原作としたゲームやキャラクターグッズなどの関連商品も多く登場し、アニメ産業はさらに拡大しました。 21世紀に入ってからも、日本のアニメは進化を続けています。デジタル技術の発展により、CGアニメや3Dアニメが普及し、より多様な表現が可能になりました。また、インターネットの普及により、アニメの配信サービスが増え、世界中の人々が日本のアニメを楽しむことができるようになりました。 日本のアニメは、単なる娯楽の枠を超え、文化的な影響力を持つ存在となっています。今後も、新しい才能や技術の登場により、アニメの世界はさらに広がり続けることでしょう。

(876字)



AIにできること

 生成AIを使えば、読解の練習に使う文章も簡単に作成することができます。「推し活」や「eスポーツ」など、学生が興味を持ちそうなくだけた話題から「SDGs」や「原発再稼働」といった硬い話題まで、どんな話題からでも文章が作れます。

 市販の読解教材も文章がよく練られていて、よいとは思うのですが、出版されてから時間が経って、内容が古くなってしまっていたり、いかにも教科書といった感じのまじめな話題ばかりで、学生が退屈してしまうこともあるかもしれません。
 しかし、AIを使えば、今話題になっている現代社会の問題について文章を作ることができますし、その時々の学生の関心に合わせて、学生が読むことに意味を感じられる文章を作ることもできまるでしょう。
 今までは、読解教材の文章であきたらないときは、新聞や雑誌、インターネットの記事、エッセイなどを生教材にして、授業で取り上げることがあったと思います。しかし、多くの記事やエッセイを読んで、内容が授業で扱うのにちょうどよく、学生のレベルにも合った生教材を見つけるのはなかなか難しいことでした。今回のようなAIで作成した文章はそうした生教材の代わりとして使うこともできるのではないでしょうか。

人間にできること
 AIに文章を作らせた場合、まず、文章におかしいところがないかどうか、また、内容が間違っていないかどうか確認しましょう。最近のAIの作った文章の場合、言葉の使い方がおかしいとか、文法が間違っているといったことはほぼないのですが、一応確認しておきましょう。次に、必ず、文章の内容が間違っていないかどうか、確認してください。少し面倒ですが、インターネットで調べることで、ある程度、文章の内容の確認が取れます。
 ところで、この文章には、「発展を遂げる」「礎を築く」など、上級の表現も含まれています。難しすぎると思われるところは、教師が簡単な表現に修正してもよいと思います。また、第六回のブログ「読解の文章をやさしい文章にしよう」のプロンプトを使って、文章に出てくる語彙のレベルの調整をしてもかまいません。
 さらに、第三回のブログ「文章の語彙リストを作ろう」のプロンプトを使えば、今回の文章の語彙リストを作ることもできます。翻訳付きの語彙リストを作って、学生に配ることもできるでしょう。

ここに注意! 

 AIが作る文章には、間違いが含まれることがあります。

 AIはインターネットの情報を学習して、その情報をもとに文章を作りますが、元々のインターネットの情報が間違っていると、それを反映して、AIも内容の間違った文章を作ってしまいます。

 また、AI自身が事実と異なる内容の文章を勝手に作り出す、ハルシネーション(Hallucination、幻覚、幻影)という現象が文章の生成過程で起こることが知られています。特に、AIが学習したことのない情報、AIのあまり知らない情報について、無理に文章を作成させようとすると、このハルシネーションがしばしば起こることがわかっています。

 今回の文章にも残念ながら間違いが含まれます。まず、「なまくら刀」と塙凹内名刀之巻」という作品名が、別の二つの作品であるかのように書かれていますが、これは間違いです。実は作られた作品は一つだけです。最初に「なまくら刀」というタイトルで作品が作られたのですが、公開時に塙凹内名刀之巻」というタイトルに変更されて、このアニメは上映されました。ですから、作品が二つあるわけではないのです。実際には作品は一つしかないのに、AIが作品が二つあると勘違いしてしまっているのです。

 さらに、もう一つ間違いがあります。「なまくら刀」は「セルアニメーション技法」で作られたと書いてありますが、これも事実ではありません。古いアニメーションなので、AIが勝手に「セルアニメーション技法」と結び付けて、文章を作ってしまっていると考えられます。

 古い作品の情報で、インターネットにもあまり情報がないので、AIも勘違いをしてしまったようです。

 AIのハルシネーションを減らすための研究が現在盛んに行われているそうですが、現状では、AIに文章を作らせた場合は、内容が正しいかどうか必ず確認すること(ファクトチェック)が必要です。

 (今回、AIが作成した文章は、私が調べた限り、その他のところは間違っていないようです。もし今回の文章の中に他に間違っているところがあったら、コメント欄で教えていただけますでしょうか。)


第10回 単語の選択問題を作ろう。

  今日のプロンプト 1 「修繕」という言葉を使って、穴埋め問題を作ってください。三つの選択肢の中から答えを選ぶ問題にしてください。 AIの回答1 (2025年3月29 日にClaude 3.7 Sonet により生成) 問題:台風で壊れた公民館の(   )工事が来週から始まる予...